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神聖はるさめ王国

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2016年 11月 15日

ヴォガードマニアックス

ずいぶん昔にたもつ先生から譲って頂いて、一度も走らせたことのないヴォガードT10。
しかし、どういう車なのかとぐぐってみても驚くほど情報が出てこない。

バギーなんかだとどのメーカーもみんな同じに見える現行車と比べて、
バギーブームの頃の独創的というか迷走的な車っていいよね!って話になると大いに盛り上がるけど、
ツーリングだって全部同じ形の現行車よりブームの頃の車が絶対(野次馬的に)面白いのに、
それで盛り上がってるシーンをあまり見た覚えがない。

所詮ツーリングはただ速く走るためだけの道具なのか?否!断じて否!

というわけで、こんなネットの端っこに爪痕を残してみようと思う。
一度も走らせてもいないくせにね。でもいいの、どうせ野次馬視点だから。

ヴォガードマニアックス_e0034693_23395665.jpg


ぱっと見はモーター位置も電池の置き方もふつうっぽい。
最大の特徴は3ベルトの駆動系だが、エンジンカーのようにエンジンを大きく迂回するとか、
TA06(3ベルトじゃなくて2ベルト+ギヤだが)のように電池を大きく迂回するとかでもなく、
ただ単に前後デフのプーリーをど真ん中に持ってくるためだけっぽい。
結果、スリムなボールデフをど真ん中に置いて、バルクの幅を最低限にすることには成功したものの、
ボールコネクトされたサスアームのおかげでスパンはそんなに長く取れなかった模様。
ロアアームの軸の幅は通常の車とあまり変わらない。

ヴォガードマニアックス_e0034693_234186.jpg


せっかくベルトと軸を1セット余分に噛ましたんだし、モーターを真ん中に持ってこようかとか
そういうことは何も考えてないようで、モーター位置はだいたいTF2と同じくらい。
うちの個体が劣化してるのか、壊れてるのか、元々こういうものなのかは解らないが、
モーターが付いてないのにモーターが付いてるくらい駆動系が重い。
回すときゅるきゅると音がする。ベルトの張りはきつめだけどそういうレベルじゃない。絶対何かおかしい。
ベルトは3本もあるのにテンション調整機構らしきものはひとつも見当たらない。すごい車だな!

ヴォガードマニアックス_e0034693_23414497.jpg


足回りはCハブを持たない上下Aアーム。上下アームもナックルも前後共通。
この方式はこういう理由で駄目だ!と自分レベルでは説明できないんだけど、
初期のRS4とかもCハブ無しだったのがCハブ式になって俄然速くなったりしたせいか、
当時は(っていうかわりと最近まで)Cハブじゃなきゃ駄目、みたいな風潮だった。
フロントと同じナックルをタイロッドで固定してリヤに使う方式も、昔はみんな失敗に終わってたけど、
近年は世界戦みたいな大舞台でこそっとこのタイプのが出てきて度肝を抜かれたりするから
何が正解なのか解ったもんじゃない。

キットメーカーになる前からダンパーをウリにしてたテックだけど、正直いい評判は聞いたことがない。
構造は普通っぽい・・・と思ったら、ダイヤフラムでもエアレーションでもないフリーピストン式だ!
マイティフロッグやホーネットと同じあれだ。当時すでに絶滅したと思ってたのになあ。
組みにくいしコストもかかるしメリットなんて何もないんじゃないだろうか?
ダンパーエンドは下だけじゃなく上にもボールエンドを使うタイプ。
1/12とかではよく見るけどツーリングでは滅多に見たいタイプだ。
ばね長を変えずにダンパー長を微調整できるのは実は結構な美点だと思うんだけど、
当時はたぶんそういう考え方は無かった気がする。
ロアアームに車高調整用いもねじが付いてるのはいいけど、そのいもねじを回すための
レンチを差し込む隙間がどこにもない。アッパーアーム外してから回せってか?
そんなレベルの設計だから、特殊な作りのダンパーも車高調整の事考えてたとは思えない。

そんなこんなで、細部を見るとつっこみどころの塊なんだけど、全体を眺めると
すっきりとまとまっててなかなかかっこいい。赤いバンパーとか無限の1/12みたいだ。
今は亡きスーパーナローのタイヤ(たぶんシミズ40)もいいな。今の車で履いたらどうなんだろ?


いろいろ考えが足りない部分も多いけど、テック初のツーリングは独創的で野心的だった。
確かこの次の世代がHR-4だったと思うけど、同世代のRS4PRO2そっくりさんグループ
(TA04とかTF4とか)の中でも最も完成度が高かったんじゃないだろうか。
そして、ベルトを真ん中に通して、電池とそれ以外を両側に振り分ける、という今なお続くカタチを
MY02と、タミヤと共同開発(?)のTRF415で確立したのも実はテックだった。

どのメーカーも越えられないカタチを築いた偉大なる先駆者でもあり、
どのメーカーもこのカタチから抜け出せない呪いをかけた戦犯とも言えるけど、
当のテックはその後ツーリングからはフェードアウトして元のパーツメーカーに戻ったのも面白いな。

by harusame_kingdom | 2016-11-15 23:43 | らぢこん | Comments(7)
Commented by 工場長 at 2016-11-16 19:26 x
おっスゲェーの来たなと言いたいところだけど、週末模型の喫茶コーナーには普通に飾ってあったりする。
当時店長が問屋の廃パーツからキット一台分のパーツを格安で手に入れて完成させて2階のコースで走らせていたよ。
今でも動くんじゃないかなー?。
Commented by W500 at 2016-11-16 20:44 x
ヤフオクで手に入れて(しかも2台)最近まで走らせてました。
ものすごく静かに走る車でした。(ナゼだか不明)。
キャスター角いじりやすいのか、初期のドリフトやる人には人気だったそうです。
ボールエンドが渋くなったりするのでメンテが大変でした。
Commented by harusame_kingdom at 2016-11-16 21:57
なんと、実はメジャー車種だったヴォガード!
ぐぐると1ページ目にここが表示されるくらいだから
どんだけ情報無いんだよ!って思ったのにあるとこにはあるんだなあ。
Commented by 通りすがりの散髪屋 at 2016-11-16 21:59 x
まだ屋根裏に残骸があったりします(笑)でもT10はRSにしないとツーリングカーとしては
致命的にセンターベルト周辺の駆動が重くてダメな子でした♪
Commented by harusame_kingdom at 2016-11-16 22:55
おぉ、RSって板がカーボンになったくらいかと思ってたけど
バルクとかも違うんですか?
あの異常に重いのは仕様だったんですね。
ボールデフはスムーズに動くのにベルト回すと
戦車みたいにキュラキュラ音がします。3キャタピラドライブ。
Commented by 通りすがりの散髪屋 at 2016-11-17 17:50 x
あ、RSにしてもそれ程は変わらなかったか。駆動系はそのままだったし(笑)黒FRPがカーボンになった程度で、ダンパーがちょっとタミヤちっくになってたような。結局改造用のドナーにしてFFのM車にしちゃいました。
Commented by harusame_kingdom at 2016-11-17 23:56
ありゃ、突き詰めると、じゃなくて組んだ瞬間に発覚する
最大の突っ込みどころを放置して上位機種とか片腹痛い。

そういえばRSって付くとむしろ廉価版のイメージなんだけど、
なんでだろ?って自分の胸に聞いてみた結果、
マルイのギャラクシーRSが出てきました。
なんでそんな微妙なのが心の底に居座ってるのか(謎


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